飛騨高山の魅力

飛騨高山は日本列島のほぼ中央に位置し、東西を山、南北を河川や峡谷に囲まれた日本特有の地形を備えています。

森林率も92.5%と際立って高く、盆地を囲む周囲の山々の平均標高は600メートル台です。

そのため、昼夜と夏冬の温度差が少なく湿度も低い内陸性盆地型気候の特徴をはっきり感じさせます。

何より、四季の移ろいを明瞭に感じさせる季節感の表出が大きな魅力です。

 

冬は摂氏マイナス15度まで下がるため、きめの細かいパウダースノーがスキー客を魅了します。

また、夏も爽やかな気候の日が多く、過ごしやすいため、古くから避暑地として人気がありました。

 

この気候が、甘くておいしい野菜を育てると同時に、周囲が霧で見えなくなる「朝霧」などの

幻想的な光景を生み出しています。

白川郷

白川郷

「倭乃里」から車で1時間ほどのところに、合掌づくりの集落「白川郷」はあります。正確には白川郷の荻町と五箇山の相倉、

それに菅沼の3集落で形成されています。「人類の歴史上重要な時代を例証する、ある形式の建造物、建築物群、技術の集積、

または景観の顕著な例」などの基準を満たすものとして、1995年に世界文化遺産に登録されました。

 

日本有数の豪雪地帯である飛騨地方一帯では、雪下ろしの作業軽減と養蚕(ようさん)に必要な屋根裏の容積を確保するために、

鋭角な茅葺き屋根の住居になったようです。高台から集落を見下ろすと、ほとんどの合掌家屋が同じ方向を向いて建てられて

いることに気づかされることでしょう。これは東西に動く太陽の光をできるだけ長く受けて雪を溶かし、屋根を乾かすための

ものです。同時に、南北に吹く風への抵抗を最小限に留める役割も果たしています。

 

これらの合掌家屋の多くは戦後の経済成長にともなって取り壊されてしまいましたが、白川郷や五箇山は周辺地域の道路整備が

遅れたため、奇跡的に残されることになったのです。しかし、茅葺きの大屋根は葺き替えに1週間以上もの時間と労力が必要で、

一般住民が生活を続けながら同時に家屋の保全活動に取り組むことは容易なことではありません。これらの貴重な文化遺産を今も

支えているのが「結(ゆい)」と呼ばれる助け合いの精神による共同作業です。20年から30年に一度の茅葺きの葺き替え作業も、

運が良ければ間近で見ることができるでしょう。

 

合掌造りに特色づけられる独特の文化が色濃く残るこのような日本の原風景は、ミシュランの旅行ガイドで三ツ星を獲得する

など海外からの注目も高く、現在では観光名所として多くの人で賑わっています。

高山市街

高山市街

東京都の全域に匹敵する面積を誇る高山市は、「山中の都」として華やかな町人文化が栄えた町です。飛騨の歴史は古く、縄文時代

にまでさかのぼるようです。高山市内各地域から、美麗な土器や異形の石器が発見され、市内の展示施設で見ることができます。

 

奈良時代になると「大化の改新」で税を納めるよう定められましたが、飛騨では米や織物などが少なかったため、年貢の代りに

京や奈良の仏教寺院の造営に労力を提供しました。多くの寺院の造作にあたった腕の良い職人たちは、年季が明けると飛騨に

帰り、匠として名を残しながら、多くの建築物や街並を作り上げたのです。

 

平安時代になって平家が天下を握るようになると、飛騨は平家の領国となりました。戦国時代には三木(みつき)氏が高山市に

進出し、松倉山に松倉城を築きました。しかし、豊臣秀吉に従わなかったため、秀吉の家臣・金森長近によって討たれます。

その後、金森氏が松倉城へ入城して飛騨高山の初代藩主となり、以後一族は6代(107年間)にわたってこの地を治めることに

なります

 

市内に数多く残されている当時の建築物や彫刻は伝統文化財に指定されたことで守り抜かれ、現代にも受け継がれています。

こうして高山市内は、金森時代の雅な京の文化と、天領時代の粋な江戸文化が織り成す独特の町人文化が形成されて、

現在も古風な輝きを放っています。 昭和11年11月1日に高山市となり、市制50周年を記念する昭和61年に運輸省(当時)

から「国際観光モデル地区」の第1次指定を受け、「国際観光都市」 を宣言しました。現在では「ミシュラン」が発行する

旅行ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャパン(Michelin Green Guide Japan)」に2年連続して

「必ず訪れるべき観光地」「わざわざ旅行する価値がある場所」として、最高評価の「三ツ星」に選ばれています。

朝市

高山市には、「宮川朝市」と「陣屋前朝市」の2つがあります。

その歴史は古く、江戸時代から市場として栄え、現代のスーパーやコンビニのような役割を果たしていたようです。

もともとは高山別院の境内にて開催されていましたが、様々な時代の動乱のなかで場所を変えながらも、生活の重要な場所として

伝統を守り続けてきました。そして今なお、1月1日の元旦を除いて毎日開催しています。

夏には「トマト」「なす」「キュウリ」「ホワイトとうもろこし」などの飛騨高山ならではの高冷地野菜や、それらを加工した

「新漬け」などのお漬物やお味噌などが並びます。

「飛騨もも」「飛騨メロン」「スモモ」などの果物、自分の好みで調合してもらえる「七味唐辛子」から「さるぼぼ」などの

民芸品まで、様々なものが生産者の手から直接買うことができます。

温かい響きの「高山ことば」が飛び交うのどかな朝市は、飛騨高山で最も魅力的な観光エリアのひとつとして毎日賑わっています。

朝市
臥龍桜

臥龍桜

「臥龍桜」は幹枝の形が龍の臥した姿に似ていることから名付けられました。国指定天然記念物です。

見頃は4月中旬~下旬で、桜の見頃に合わせて「臥龍桜・桜まつり」が行われます。

JR高山本線、飛騨一ノ宮駅下車、徒歩1分 臥龍公園内で見ることができます。